管理人小林れいの考えとして、高校生までの、図工や美術教育は「うまく描くこと」を重要視しなくていいと考えています。
当自習室では当面「教える」ことはせず、作品を通した雑談や、スタッフの【個人的な感想】(※基本ポジティブな感想であり、否定するようなことはいいません)、を伝え、それを通して、お子様たちの自己肯定感を高め、自信をつけてほしいと考えています。
もちろん将来、イラストレーターや漫画家、画家になりたいという人は、デッサン力やその他の力をつけていくのもいいでしょう。
しかし図工や美術で本当に出来るようにしたほうがいいものは
1, 自分の頭の中のことを、目に見える形にする
2,人が思いついていないことを思いつく
3, 自分がなにが好きなのか、感じる
ことだと思っています。
これは自分の長男に「図工が嫌いになった」と言われた時に、図工の意義を考えて、私が思うことを文字にしたのですが、現在の指導要綱に書かれている「思考力、判断力、表現力」につながるのではないかと思っています。(こじつけ?笑)
「1,自分の頭の中のことを、目に見える形にする」は、絵や工作でなくても構いません。文章でもいいし、喋り言葉でもいい。
これが上手に出来るようになると、人への伝え方がうまくなったり、どうしたら人に伝わるのか、を考えるようにもなります。大人でもこれが苦手なひとは、「人が思うように動いてくれない」とイライラしたり、「こっちが思っていることと違う」とSNSで炎上したりしてますよね。
頭にあることを、どうすれば人にわかってもらえるのか、を学ぶのに、図工や美術は最適だと思うのです。だってどんなものも自由にしていいから。その想像したものを形にすることは、ときに技術不足でうまくいかないかもしれませんが、いきなり答えを知るのではなく「どうしたらつたわる?かたちにできる?」を試行錯誤する「時間」が大事だと、私は考えています。
「2,人が思いついていないことを思いつく」は、思考力や発想力です。これから未来を作っていく子どもたちに、私達が知っていることだけ教えて発展があるでしょうか?
先人たちも「こうなったらいいな、こういうものがあったらいいな」という、思いつきで、発展してきました。
例えば、私が中高生のころ、爆発的にポケベルがはやり、公衆電話はいつも行列。
そこに並びながら、友達と「ベルに、電話がついていて、直接送れればいいのに」と言っていたのですが、その数年後、携帯電話やPHSが普及し、メールが送れるようになりました。その後、スマートフォンができて、いまや生活に欠かせないインフラのようになっています。
正直・・・iモードを作った人、スマートフォンを作った人・・・すごい功績ですよね。下世話な言い方ですが、開発者は大儲けができます。でもあるものを使う人はただの消費者です。あなたのお子さんにはどちらになってほしいでしょうか?
「3,自分がなにを好きかを感じる」3つのうちで一番大切にしたいことです。
私達大人もそうですが、流行りだったり、他者の評価で「あ、それ、私もほしい」とか、「それいいよねー」って言ってることがあり、本当に自分が好きなものってなんだろう、と考える機会って少ないんじゃないでしょうか。
私の友達の家族でアミューズメントパークに行くのが当たり前でした。我が家はよくキャンプにいくので、行ってみたいといわれ、一緒に連れて行ったときのこと。
そこ子は、行くまでの車中では、「キャンプってなにが楽しいの?」といっていたのですが、BBQをする時の火起こしをしていたとき、「あ、この匂い、好き」って言ったんです。
アミューズメントパーク最高!ってそれしか行ってなかったら、それしか楽しみを知らないですよね。
図工や美術も同じで、学校で「これを教えましょう」と決められているものと、自宅の「好きに描けて(家族から)褒めてもらえる場所」でしか、知らないことっってあると思います。
当自習室では、教えるのではなく、子供への問いかけや、イチスタッフの感想などを伝えることで、教師や家族と違った反応をお子様に感じてもらえ、またそこから自分の良さを発見してもらえたらと考えています。

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